薬を使わずになおす方法

環境や周囲の力

周囲の対応が症状改善の手助けとなる

 うつ病は遺伝的要因、精神的要因、身体的要因によって脳内の神経伝達物質が欠乏し、発症すると考えられています。治療においては休養が最優先されます。しかしうつ病の人をいつまでも休ませておくと、回復が停滞する場合があります。うつ病治療中の人に「がんばれ」と声をかけてはいけないとよく言われますが、これは正確ではありません。症状の変化に合わせて対応を変えていくことが重要です。  治療初期は心が塞ぎこみ、何に対しても意欲が湧きません。認知の歪みも出ているため、激励はプレッシャーとなり症状を悪化させます。安心して休める環境を作り、あたたかく見守りましょう。  症状が回復してくると物事に対する意欲が出てきますが、長く休んでいたため活動への自信を失っています。こうした時期には、勇気づける意味である程度の励ましが効果的です。ただし、より早い回復を求める言い方にはならないよう注意が必要です。現実的で厳しい話題は避け、本人の回復ペースを援護するようなイメージで、良くなった点を言葉にするなどして声がけを行いましょう。

支える側の心のケアも大切に

 支える側の家族や友人、職場の同僚は、本人が苦しいながら頑張っている姿を見て、健康な自分たちが文句を言ってはいけないと思いがちです。しかし病気の人を支える中で、不安や不満を感じることは自然なことです。無理をすれば今度は周囲の人間が倒れてしまいます。また「つらい」という思いは態度や言葉に表れてしまいます。患者さんは周囲の苦労を感じ取り、それがまた症状を悪化させることにも繋がります。誰かに本音を打ち明け、適度にガス抜きをすることが大切です。  相談相手には医師や臨床心理士、カウンセラーなどうつ病の治療に携わっている専門家を選びましょう。医療機関や相談機関に窓口があります。避けなければいけないのは本人の承諾なしに第三者に話すこと。とくに主治医や共通の知人に無断で相談することは避けます。治療を台無しにしかねません。  うつ病は治療を受ければ治っていくものです。周囲の人たちは「必ず治る」という信念を持ち、症状の変化に気を配りながら、患者さんを支えていきましょう。